事務局ブログ 2023年3月

3月1日、明るい陽ざしがふりそそぐもと、母校から第72期生266人の生徒たちが巣立っていきました。それぞれの新たな世界での活躍と幸せを心から願わずにはいられません。なお卒業生は2月28日の同窓会入会式において同窓会に入会し、全員が京一中洛北高校同窓会員となりました。

ところでインドアの話題を一つ。同窓会室玄関前スペースに敷かれているタイルの由来をご存じでしょうか? その名は「泰山タイル」。大正から昭和時代、秩父宮をはじめとする各宮家の住宅や東京帝国大学医学部新館、関西では大阪綿業会館、神戸女学院、先斗町歌舞練場や京都市美術館などの建築物の装飾タイルと同じルーツです。

「泰山タイル」は、池田泰山が大正6年(1917)東九条に設立した製陶所でつくられたもの。泰山はタイルを単なる建築材料ではなく装飾性のある美術工芸品ととらえ、独自の技術を追求しました。手づくりならではの趣ある彩りと味わい深い表情は「泰山タイル」と呼ばれて、多くの巨匠建築家が好んで採用しました。

 同窓会室前のタイルは、泰山の孫にあたる池田泰佑氏によるもの。泰佑氏は昭和18年(1943)京都生まれで泰山製陶所の閉鎖後、独立して陶製モザイクタイル作家として活躍中です。洛北9期の八木健吉さんや同20期の今井秀明さんが、この泰山タイルについて自身のホームページに掲載されています。なお八木さんは、来る5月20日(土)開催の京一中洛北クラブで講演予定です。

   □大阪・綿業会館に生きる京都生まれの「泰山タイル」: Yagiken Web Site (cocolog-nifty.com)           

   □今井秀明・(株)今井建築設計事務所/京都・東京ーWORK3ー1 (www.ne.jp)