むかしの京都の一中生

むかし京都の一中生

あの日、あの時、我らが先輩「京一中生」は何を考え、どう生きたか・・・

昭和13年卒業から同21年入学までの京一中生が書き記した、44編の投稿原稿を収載。


1冊3,000円(送料込)
編集・制作 京一中記念誌編集委員会
印刷 印刷土倉印刷所(昭和14年卒土倉九三氏創業)

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I
京都府立京都第一中学校時代 (園 欣彌 昭和13年卒)
II
クラレからヘモネティック社へ (桜田 洋 昭和20年入)
官公庁中心の仕事から学術関係の仕事へ (中西 亨 昭和18年卒)
III
コルトーと野辺地爪丸先生 私のセガンティー二 (織田 久男 昭和23年卒)
オペラとの出会い (樋口 敢 昭和19年入)
京一中の想い出 (北田 純三郎 昭和16年卒)
IV
この機会に書き残しておきたいこと (益田 恭 昭和18年卒)
世界記録を樹立した一中OB「原田正夫」 (近藤 公夫 昭和22年卒)
ラグビーと京一中生 (望月 秀郎 昭和21年入)
V
京一中のこと、思い出すままに (三谷 文夫 昭和17年卒)
我々の生きた時代 (伊藤 光二 昭和18年卒)
昭和18年組の世話役と常連の人々への追悼文 (安藤 協三、伊藤 光二、高月 一)
中学時代 (川嶋 憲治 昭和18年卒)
わがふる里の原風景 (川村 瑞穂 昭和18年卒)
土木・建設実務者の立場から (清山 信二 昭和18年卒)
中学時代のことども:思いつくままに (坂崎 信之 昭和18年卒)
アメリカにて (瀬川 進 昭和18年卒)
思い出の『國語』教科書 (高月 一 昭和18年卒)
回想の京一中時代 (原田 昭治(旧姓近藤) 昭和19年卒)
京都一中の四季 (山田 啓夫 昭和19年卒)
一中スピリット (山本 善和 昭和19年卒)
京一中時代 (吉川 史郎(旧姓北田) 昭和19年卒)
戦争に明け暮れた (田淵 哲男 昭和20年4卒)
先生と授業 (村山 保雄 昭和20年5卒)
70年以前を振り返って (岩崎 又衛 昭和22年卒)
京一中の誇り (村山 智一 昭和22年卒)
昭和18年から22年 (魚木 五夫 昭和23年卒)
記憶に残る京一中の名物教師 (澤井 朗 昭和23年卒)
京一中二話 (玉村 文郎 昭和23年卒)
凡才学徒の戦中戦後記 (藤原 敏朗 昭和23年卒)
あの日、あの時―北の大地に生を求めて (安田 泰次 昭和23年卒)
京一中から洛北高校、鴨沂高校の狭間 (武居 三郎 昭和19年入)
京一中を偲んで (竹中 清蔵 昭和19年入)
戦中戦後の富田林から京一中へ (松村 直行 昭和20年入)
つれづれなるままに (横山 修一 昭和20年入)
京一中が京都で果たした役割 (稲垣 洋吉(旧姓井辻) 昭和21年入)
京一中最後の入学生 (佐々 宏一 昭和21年入)
懸命に生きた (高須 俊明 昭和21年入)
京都第一中学校最後の入学生(中村 淳 昭和21年入/洛1卒)
京一中生とアイスキャンデー (野々内 隆 昭和21年入/洛1卒)
京一中生としての二年間 (福田 健 昭和21年入)
一中時代の思い出(向居 彰夫、昭和21年入)
特別科学学級大戦の落とし子 (片岡 宏 特別1)
特別科学学級のこと (高山 宥一郎 特別1)
京一中・洛北高(1945~48)のころ (川那部浩哉 昭和20年入/特別3)

本冊「おわりに」より

 平成26年12月に京一中記念碑が洛北高校に建設された際、京一中OB諸氏から寄せられた募金に若干の余剰があったので、記念誌を編纂しようということになった。しかし何分にも一番若いた昭和21年入学の方々でさえ満80歳を越えておられ、全員超高齢なので原稿が果たして集まるだろうかと危ぶまれ、ほとんど無制限の要項で原稿や資料の提供を呼びかけた。
 ところが、有難いと言おうか感激と言おうか、一年有余の間に集まった新稿、亡くなった会員の方々のアーカイブ的著作・資料は思いも寄らぬ膨大な量に上った。ちなみにその全量の刊行を同窓関係の印刷会社に計ったところ、はるかに巨額で到底最初考えた記念碑建設余剰金では賄えないことがわかった。そこでアーカイブ的な貴重な著述資料はこの際別途刊行を考えることにし、今回寄せられたお元気な会員各位の玉稿のみ、それも止むを得ず、余りに自伝的であったり、クラス会的でありすぎたりする行文は削除させて頂き、さらに刊行費の補足のために2017年6月再度の募金をお願いして、ここにようやく私家版の「むかし京都の一中生」が日の目を見ることになった。
 貴重な玉稿・資料をお寄せ頂いた各位(その後逝去された方々もある)に心から感謝を捧げるとともに、それぞれの方々のディテールについての記憶の確かさには驚くほかなく、本書が戦中・戦後の新たな記録となることを確信する。同時に、止むを得ず削除の被害に遭われたかもしれない各位に、ご寛恕を乞う次第であります。
 また、この間原稿・資料の収集・整理・清書に当たって下さったのは、主に同窓会誌『あかね』の編集を担う、堀江博、三輪新造、岡本由美子、八田香津子、遠山祥子の方々で、すべて洛北高出身。この後輩諸氏の献身的実務のお力添えなしには本書は成立できなかったであろう。資料面で種々アドバイスを頂いた川口靖夫講師、そしてすばらしい題字を書いて頂いた板倉華游さん(洛北高13回)に厚く御礼申上げたい。
 最後に本書の印刷刊行を、われら京一中の山岳部の大先輩土倉九三氏(昭和14年卒)の創業された土倉印刷所にお願いできたことを深い喜びとするものである。

2017年秋 京一中記念誌編集委員会
稲垣 真美(昭和18年卒)

京都一中百五十周年記念 われら自由の学び舎に育ち

京一中150周年記念 われら自由の学び舎に育ち

『むかしの京都の一中生』につづく、もう一つの記念誌刊行!
2019年に没後100周年を迎える夭折の画家、村山槐多の詩文、湯川秀樹・朝永振一郎
の世紀を俯瞰した談話・評論をはじめ、科学・哲学・思想から内政・外交、探検、文化・芸術
に至る幅広い分野から、著名な京一中卒業生畢生の24編を、京一中150周年を記念して
収集刊行。
  編著 稲垣真美(京一中昭和18年卒)/熊谷かおり(洛北31期)
     販売価格 2,700円(税込み)
 ☆特別価格2,500円!(税・送料込み)
        (先着500冊まで)

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第1部 科学と哲学の彼岸 科学・思想編
序詩 「一本のガランス」「京都人の夜景色」 (村山 槐多 大正3年卒)
人間は面白い 漱石・芭蕉・デカルト・ニュートン (湯川 秀樹 大正13年卒)
世紀のパラドックス (朝永 振一郎 大正12年卒)
西田幾多郎、九鬼周造 (木村 素衛 大正3年卒)

第2部 国の内外、乱ありて治 内政・外交編
昭和天皇側近日記 (木下 道雄 明治38卒)
駐スペイン大使とマヤ文明(林屋 永吉 昭和13年卒)
ソ連からロシアのはざまに (枝村 純郎 特別2)

第3部 衆先利他・京の商法 経済・社会編
京都に大丸 (下村 正太郎 明治36年卒)
お香のはなし (熊谷 直清 大正11年卒)
利他の商人鳩居堂の系譜 (熊谷 かおり 洛北31回卒)
経済人ロビンソン・クルーソウ (大塚 久雄 大正14年卒)
日本中世の村落 (清水 三男 大正15年卒)

第4部 学究は戦陣を恐れず 学術・校友編
種に関する概念 (目賀田 守種 昭和9年卒)
ノーベル医学賞のお膳立て (田代 裕 昭和19年卒)
行動的研究集団へ 中谷宇吉郎と桑原武夫 (樋口 敬二 昭和20-5卒)
地理学五十年 (辻田 右左男 旧職 大正14年卒)

第5部 探検・踏査は研学の始まり 土木・植林・探検編
日本近現代の土木社会史抄 (大木 孝 昭和11年卒)
道遥かなり奥吉野 (芝 房治 昭和18年卒)
大興安嶺探検の日常と非日常 (土倉 九三 昭和14年卒 梅棹 忠夫 昭和12年卒)
土倉九三を語る (川喜 多二郎 昭和12年卒 富川 盛道 昭和16年卒 中村 尚夫 昭和17年卒 山田 稔 昭和22年卒)
南極越冬隊隊員として西堀栄三郎・犬ぞり隊 (北村 泰一 昭和19年入)

第6部 言語空間の深化目指して文化・芸術編
市村恵吾 君とフランソワ・ラブレエ (新村 猛 旧職 大正13年卒)
私の漢文修業 (狩野 直禎 昭和22年卒)
非戦の断章「人と山の破滅」、『兵役を拒否した日本人』より (稲垣 真美 昭和18年卒)

本書「あとがき まなびやは時空を超えて」より

 明治三年、日本最初の旧制中学校として京都に創立された京都一中は、学校制度の改正、校舎の建て替えなど、時代の変遷をくぐり抜けながら伝統を育んできました。
 自由を重んじる気風の学校は、輝く才能や崇高な精神を持つ人材を輩出し、昭和25年、京都府立洛北高校と名を変え、現在に至っています。
 明治維新から150年、新たな年号を迎える時代の幕開けに、この学び舎を振り返り、偉大でユニークな先輩たちの言葉や意外な素顔を拾い上げ、新たに発信することは、過去と未来の素敵なコミュニケーションになるはずです。思い出の詰まった学び舎は時空を超えて、これからも自由の風を運び続けていくのではないでしょうか。
 本書の多彩な登場人物のエピソード… ノーベル賞学者、湯川秀樹が芭蕉の面白さを語り、大丸百貨店当主の下村正太郎が、京都に大丸、と謳う。南極越冬隊員の犬ぞり隊物語に大自然のリアリティを知ることになる。
 「GO MY WAY」
 「好きこそものの上手なれ」
 素晴らしき先人たちがそんな真理を教えてくれているような気がします。
 歴史を見ればわかるように、世の中は諸行無常、万物は流転します。だからこそ、他人に振り回されずに「ほら、勇気を出して前に進みなさい」と私たちの背中をそっと押してくれる天才、奇才、聖人たち。彼らの生きざま、魅力がすこしでも伝わるように願っています。
 この一冊、どのページから読み始めても楽しく実りある読み物になっています。まずは興味をそそられる人物のページを開いてみてください。
 そのあとは、どうぞご自由に……。
 私ごとになりますが、本紙掲載のわが祖父、鳩居堂十代当主を務めた熊谷直清は京都一中大正11年卒その長男であり、わが父である熊谷直好も洛北高校に学びました。私の母校でもあるこの学び舎です。京都の歴史とともに熊谷直清、熊谷直好、熊谷かおりの三代にわたるご縁をいただいた幸せは、目にみえない大切な宝物です。未熟な私がこの編集に携わる光栄に恵まれたこと、関係者、そして読者の皆様にお礼申し上げたいと思います。
 本書の編集にあたり、京一中洛北高校同窓会誌『あかね』編集委員関係の堀江博、三輪新造、岡本由美子、八田香津子、遠山祥子の方々に種々お世話頂き、また刊行に当ってはミネルヴァ書房の神谷透、柿山真紀両氏にお骨折りを頂きました。深謝致します。
 学び舎は時空を超えて、すべての人に幸せを運んでくれますように…

編著者 熊谷 かおり

京都府立京都第一中学校 京都府立洛北高等学校
下鴨校舎80年の軌跡

京都府立京都第一中学校 京都府立洛北高等学校
下鴨校舎80年の軌跡

旧下鴨校舎の模型と、この「下鴨校舎80年の軌跡」が、姿を消した旧校舎を何時までも回想する縁となれば幸甚と思います。

昭和2年(1927年)~平成22年(2010年)
京一中洛北高校同窓会 平成24年12月改訂版発行
頒価・1200円(送料共)

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